自分自身を言語化することのメリットは、自分の内側が整理されることです。
とはいえ、自分の見えている部分(身体的特徴)以外の『感覚、感情、思考』などについて理解するための作業は、つい面倒だと感じてしまうこともあるでしょう。
しかしそれは、これまでにほとんど自分自身と向き合っていないからであって、定期的にその時間を確保していれば、その都度言語化による整理をするだけで済みます。
今の”自分” ができあがるまで
人は皆、無垢な状態から始まりますが、時代、国、社会、地域、両親など、周囲の環境の影響が、時間をかけて無意識のうちに内面に混在するようになります。
生まれ持った性格や癖が、外部の刺激を受けて反応した結果(解釈と記憶の積み重ね)が、今の自分なのです。
これまでの体験から、何をどう感じ、解釈してきたのかは、当人にしか理解することができません。
ですから、自分の本音と世間の価値観の区別がつかなくなったり、周囲との摩擦など、ネガティブな出来事に心を傷めることもあるのです。
本来の自分と一致する
ここまでの内容から、もしかしたら『本当の自分なんてどこにもない』と感じてしまうかもしれません。
私自身、混乱していたこともありました。
しかし、内観をすることで「今この瞬間に体験していることと、それに対する内なる感覚が調和しているなら、『本当の自分』と一致している」と思えるようになったのです。
言い換えるならば、自分にとっての『快か不快か』で判断し、心地よさと同化できているかが重要なポイントです。
自分にとっての『快、不快』を言語化することで、本来の自分を思い出せるでしょう。
思考と感情の癖を知る
思考や感情の癖は、誰にでもあります。
これについても言語化しておくことで、無意識の思い込みに気付き、自分の得意な思考の活かし方や、他者に対する共感ポイントを理解することができます。
すれ違いの原因に気付いたり、不要な争いから距離を置くこともできるでしょう。
自己理解だけではなく、相手との違いを知るために言語化することも大切です。
言語化の正解?
言語化に正解があるとするならば、それは自分の内なる感覚に一致している時でしょう。
ですから、外に正解を求めても意味はありません。自分にとっての正解は、自分の中にしか存在しないのです。
考えていることや感じたままを言語化し、そこに疑問を投げかけ、内側から答えを引き出す。
その繰り返しによって、無意識の本音が表れるはずです。
その本音が自分を動かす意図であり、自分自身です。
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