占星術的に『自分の第一印象』を知るには、ホロスコープのアセンダントに着目します。
アセンダントとは、生まれた瞬間の東の地平線にあたる星座のことで、その人の外見や第一印象、周囲からどう見られるかを示す指標です。
目に見える外見は、ある程度意識的に変化させやすいですが、咄嗟の行動や雰囲気は、簡単に変えられるものではないでしょう。
個性のタイプと価値基準
- 積極的タイプ/内向的タイプ
- 活発タイプ/継続タイプ/柔軟タイプ
- 情熱的タイプ/現実的タイプ/理性的タイプ/共感的タイプ
占星術では、私たちそれぞれが、これらの複数の組み合わせから成る個性を持つことや、相互関係にも様々な影響があることを示しています。
自分と相手の違いを知り、『快・不快(好き・嫌い)』で判断することは、単にそれぞれの受け取り方(感覚・感性)の違いを示すため、本来はそれ自体に問題はありません。
問題があるとすれば、その価値基準を他者に押し付けることでしょう。
第一印象は良くしなければならないのか
ここで考えたいのが、今回のテーマでもある『第一印象は良くしなければならないのか』です。
その目的は、大抵が相手に受け入れられるためでしょう。
しかし、社会の価値観に合わせて好印象を演じようとしても、自分の本質とズレがあれば違和感が生じますし、相手によってどう受け取られ、解釈されるのかも違います。
初めて会うクラスメイト、恋愛の対象、学校や会社の面接官、婚約者の両親など、自分が与える印象を気にする相手は数多くいます。
すべての人に受け入れられるために、どれだけ自分を変えなければならないのでしょうか。
例1:清潔感
たとえば、第一印象を良くする方法としてあげられる『清潔感』ですが、その基準も時代の価値観が作り上げ、エスカレートしていきます。
たとえば、就職活動では、清潔感はもはや当たり前の条件となっています。
- 歯のホワイトニング
- 歯列矯正
- シミやシワなどのケア
- 美容整形
- ムダ毛の処理
- 縮毛矯正
- ヘアカラー(白髪)
- 体臭のケア など
これらはすべての人にできることではありません。
しかし、清潔感のためには当たり前だとされれば、好印象を与えることは不可能でしょう。
身だしなみに気を使うのと、そのために神経を擦り減らすのは全く違います。
そう考えると、個性を尊重する流れの中で、印象を良くしなければならないという価値観はズレているのかもしれません。
例2:メラビアンの法則
第一印象を良くするための情報としてよく目にする『メラビアンの法則』は、
- 非言語情報(文章や言葉など)
- 聴覚情報(声の大きさやトーンなど)
- 視覚情報(外見や表情など)
これらの要素から構成されていますが、ここでも視覚情報(見た目)が高い割合を占めています。
しかし、第一印象で受け入れられたとしても、後々の発言や態度に違和感を持たれれば意味はありません。
それならば、『自分はこんな人間です』というポリシーを持って堂々としている方が、よほど自分らしくていいでしょう。
相手に気に入られるためだけに意識を向けすぎれば、自分自身にも、その後の関係性にも無理が生じるはずです。
その後の関りで印象は変化する
第一印象は、相手との関わりが長くなるほど重要ではなくなります。
良くも悪くも、その後の関りの中で印象が変わるのが普通です。
人見知りだと思っていたら、実は面倒見が良かった(仲間には頼もしい)とか、堂々としていて怖そうだ思っていたら、茶目っ気があったとか、そのようなものです。
それに、身につけているファッションと性格が違っていたり、意外な趣味を持っていたり、それがいい意味でのギャップになるかは、相手の受け取り方(価値観)に委ねられますが、本来の自分の価値は変わりません。
もし相手に受け入れられなくても自分を否定する必要はなく、価値観の合う人と、新たに関係性を築けばいいのです。
自分の強みや魅せ方を研究する
価値観の合う人と新たに関係性を築くには、自分を知る必要があります。
自己理解を深め、自分の強みや自然な魅せ方を研究しておくといいでしょう。
- 自分の素質や性格
- コミュニケーションの特徴
- 思考パターンや持っているスキル
- 興味関心
- 行動パターン
これらが総合的に雰囲気として表れるのが本来の第一印象であり、自分らしさです。
(私はその探求のために、占星術を使っています。)
本来の自分らしさを変形させてまで、印象を良くする必要はありません。
心地よい関係性のための印象付けを意識する
時代は変化し、組織やコミュニティの形もどんどん変化していきます。
第一印象は、あくまでも相手との出会いのきっかけであり、その後の関係性を左右するものではありません。大切なのは、ありのままの自分を受け入れてくれる人と出会うことです。
気に入られるために良い印象を作るのではなく、より心地良い関係性のために、決して無理のない、ありのままの自分を印象付けることを意識したいものです。
ビジネスのためであれ、恋愛のためであれ、自分の本質からズレることなくアピールできれば、これほど生きやすいことはありません。
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