自分自身を言語化することのメリットは、自分の内側が整理されることです。
とはいえ、自分「感覚、感情、思考」などについて理解するための作業は、つい面倒だと感じてしまいますよね。
しかしそれは、これまでにほとんど自分自身と向き合っていないから。
一度しっかりと向き合えば、あとはその都度、ちょっとした整理をするだけで済むんです。
今の”自分” ができあがるまで
誰もが知っているように、私たちの人生は、無垢な状態から始まります。
そして、時代、国、社会、地域、両親など、周囲の環境の影響が、時間をかけて無意識に内面に混在するようになって、自我を持ちます。
生まれ持った性格や癖が、外部の刺激を受けて反応した結果(解釈と記憶の積み重ね)、今の自分が出来上がるんですよね。
これまでの体験から何をどう感じ、解釈してきたのかは人それぞれです。
私自身、社会の価値観と本音の区別がつかなくなり、ネガティブな出来事に心を傷めながら、不安に満ちた生き方をしていました。
何が「本当の自分」なのか、どこまでが「自分」なのか、その答えは、自分の内側から引き出すしかないんだと思います。
本来の自分と一致する
私は「本当の自分なんてどこにもない」という、哲学的な回答に混乱していたこともありました(笑)。
でも、どんなに思考で理解したつもりでも、その実感が伴わなければ、腑に落とすことはできないんですよね。
実感としては、引き寄せの法則で言うところの「ウェルビーイング」こそが「本来の自分」だと感じています。
心地よさと自分が同化できているかが、重要なポイントなのかもしれません。
だからこそ、自分にとっての「快、不快」を知り、思考と感覚の両面で一致することは、本来の自分を思い出すための一歩となるのだと考えています。
私は内観をすることで、以前よりは客観的な視点を持ち、自分自身を受け入れられるようになった気がしています。
言語化のメリット
自分自身の性格、知性的な強み、好きなことや嫌いなこと、今まさに感じていること。
私はこれらを言語化することで、目標達成や人間関係の悩みの改善、趣味探しなど、具体的な成果に結びつけるための、明確な方法や手段を知ることができると思っています。
私の場合は、夫婦や親子関係の安定、自己実現のために言語化を心がげています。
「自分にはこういう側面がある」と理解しているからこそ、一時的な感情の乱れも受け入れることができるんです。
そして何よりも、過去のネガティブな経験を客観的に捉えられるようになり、その解釈が変化したことで心が軽くなったことが、一番の驚きでした。
思考と感情の癖を知る
思考や感情の癖は、誰にでもあるものです。
それを理解しておくことで、無意識の思い込みに気付き、自分の得意な思考の活かし方や、他者に対する共感ポイントに、意識を向けられるようになります。
すれ違いの原因に気付いたり、不要な争いから距離を置くこともできるはずです。
自己理解は、相手との違いを知るために必要であり、その言語化は、これらに意識を向けられるようになるために必要です。
言語化の壁
とはいえ、多くの人が、言語化を難しく感じるのはなぜでしょうか。
それは、単に面倒なだけかもしれないし、自分自身を深く見つめることへの恐れがあるのかもしれません。
言語化は、「書く」ことでもあるため、誰かの目に触れることを考えてしまうこともあるでしょう。
実際のところ、私は物質的な「日記」のたぐいは、万が一の時に気恥ずかしいため書くことはありません。その代わりに、コピー用紙の裏面に書き込んで、納得したら処分するんです(笑)。
それでも十分効力を発揮していて、今の私は、人生史上「本来の自分と一致」した状態です。
言語化の方法
思考や感情を言語化する具体的な方法を探ってみると、様々な方法があるようです。
自分の体の感覚や心の動きを客観的に観察することで自己認識を深め、心の状態をより深く理解することができるヴィパッサナー瞑想。
制限なしに頭に浮かんだことをそのまま書きだすことで、無意識下の思考や感情を可視化し、自分の心の奥底を探求することができる自由記述式のジャーナリング。
毎日または定期的に、特定のテーマに焦点を当てることで、あらゆる角度からの自己理解を深められるテーマ式のジャーナリング。
日々の中で周囲との価値観の違いを知り、自分の思い込みや価値観を改めて認識できる他者との対話。
こうしたものから、自分の取り組みやすいものを選ぶことが重要です。
言語化に正解があるとするならば、それは自分の内なる感覚に一致している時だと思います。そしてその答えは、あくまで自分自身にしか通用しません。
言語化は自分と社会を共感でつなぐ
言語化は、自己成長を促すための重要なツールだと言えます。
そして、言語化を通して得られた自己理解が、他者との共感や社会とのつながり方にも影響を与えるでしょう。
自分の価値観や生き方を明確にすることで、より主体的に社会に関わることができるはずです。
まずは、家族との関係性の中で実験してみるのが、一番変化を感じられやすくてオススメです。
ジャーナリングのネタに:自己理解を深める問い
以下の質問に答えることで、自分の内面を深く掘り下げ、自己理解を深めることができます。文字として可視化することで、より意識を向けやすくなるでしょう。
- あなたの強みと弱みは?
- それぞれの強みと弱みが、自分の個性にどのように繋がっている?
- 弱みを克服するためにできる努力は?
- ストレスの原因は?より健全なストレス解消法は?
- どんな人間になりたい?そのために、今何をすべき?
- 人生で最も達成したいことは?その目標を達成するための行動計画は?
- 最も信頼している人、尊敬している人は?その人から学んだことは?
- 人間関係で悩んでいる?その悩みは、どこから来ている?解決するためにどのような行動を取る?
コメント