占星術での探求を始めた時、ひときわ畏怖の念を抱かせたのは、冥王星の存在でした。
なぜなら、同じく探求をしている人々が、口々にその恐ろしさを語るからです(笑)。
私は暗示にかかり、その強大な力の前に立てば、いとも容易く「一捻り」されてしまうような、ラスボスとしての圧倒的な威圧感があるのだと恐れるようになりました。
過去の痛みを伴う経験が、私たちにとっての「最悪」という形を借りて現れるのは、冥王星に与えられた「破壊と再生」という象意からすれば、必然なのかもしれません。
だからこそ、自分のバースチャートの中で冥王星のアスペクトを見つけた時、私は無意識のうちに、その闇の部分ばかりを見つめていたのです。
しかし、もしその闇から意識をそらして「光」へと焦点を移すことができたなら、全く異なる景色が見えてくるのかもしれません。
今回は、冥王星が秘める「闇と光」の両側面を探求してみたいと思います。
冥王星が示す闇の正体
私にとってのラスボス(以下、冥王星と記します)は、人生という壮大な物語の12のステージのうち、8番目の深淵なるステージ(以下、8ハウスと記します)にその姿を現します。
8ハウスについては、以前の記事でも触れましたが、「他者との深い結びつき、変容、再生」といった、私たちが普段意識することのない、魂の奥深くに関わる領域を司っています。
そして、私の8ハウスを支配するサインは、「正義・判断・バランス・人間関係」を象徴する天秤座。この配置は、他者との深く濃密な繋がりの中にこそ、破壊と再生という、まるで嵐のような変容が起こり得ることを示唆していると解釈できます。
さらに、私の冥王星は、夢や神秘性を司る海王星と60度、海王星と知性の水星が120度、そして冥王星と水星が180度というアスペクトを形成しています。
これは、自他双方の心の奥深く、普段は目に見えない意識の領域へと導かれ、まるで鋭い刃を互いに向け合いながら葛藤するような情景を彷彿とさせます。
光と闇の狭間で
その感情の渦中に身を置いている時は、まるで周囲は闇でしかないように感じていましたが、振り返れば、確かに一筋の光は存在していました。
それは、これまで脈々と受け継がれてきた「負の連鎖」を断ち切り、その暗い影を次の世代、私の子供たちへと持ち込ませないようにできたことです。
特に、「婚姻関係」において生じがちな両家の価値観の衝突や、夫婦間に生じやすい力関係の不均衡などについて、私が率先してその核心に切り込むようになっていたのです。
両者のバランスをいかに取るべきか、そして、一体何を壊し、何を再生すべきなのか。
まるで嵐のようなトラブルと正面から向き合い続けると同時に、私は自分自身の中に深く根を下ろし、一体化してしまっている強烈な思い(それは、もはや念と言えるかもしれません)を、一つずつ吐き出すように解放してきました。
妻として、女性として、家族の一員として、そして仕事上のパートナーとして求めるものを、自らの調整力を最大限に活かしながら手に入れることこそが、私にとっての光でした。
ある意味、私自身が周囲の感情を揺さぶり、膿を出し切るような役割を担っていた側面もあったかもしれませんが(笑)、その光が生み出した新たな価値観は、私と深く関わる人々へと確かに連鎖しているのです。
破壊の先に生まれる新たな創造性
暗闇の中を彷徨っている時、私たちはその状態が永遠に続くのではないかと、絶望的な気持ちに囚われてしまいがちです。
しかし、「その状態に囚われ続ける(闇)」のか、「そこから抜け出す(光)」のかという選択の舵を握っているのは、他でもない自分自身なのです。
激しく抵抗してみたり、全てを諦めて投げ出してみたり、あるいは、その状況にどっぷりと浸かり、受け入れてみたり…。
冥王星が象徴するような激しい感情のエネルギーを、恐れるのではなく味方につけ、物事を根底から覆すことも、時に必要なのかもしれません。
そして、徹底的に破壊された更地の上に、一体どんな新しい世界を築き上げていくのか。
そこにこそ、新たな創造性の光が宿るのだと信じています。
※ここに書いたのは、星のささやきから感じ取った物語です。星が私たちに直接影響を与えるという価値観ではないので、言語化したものから、自分の内面と向き合うことが大切だと考えています。


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